インタビューを”読む”ところ~Oreo-de-Honyaku~

●○● YouTube上の海外アーティストのインタビュー動画を翻訳しています。ここでしか読めない、アーティスト達の生の声をお届け!●○●

コールドプレイのクリス、来たる新アルバム”Everyday Life”について語る!

昨日英BBCラジオにビデオ電話でのインタビューに答えたコールドプレイのクリス・マーティン

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2015年にアルバム”A Headful of Dreams”を発表してから4年ぶりに、先日から突如再始動を始めたコールドプレイ。

新アルバム発表に向けて、過去のMVをモノクロにしたり、ファンに手紙を書いて知らせたり、色々な国の街角にポスターを貼ったり...と、世界中のファンをざわつかせていました。

そして先日、アルバムから”Arabesque”、”Orphans”の2曲が発表されたばかり。

そんなコールドプレイのフロントマン、クリスが初めて今回のアルバムについて口を開きます...!

ちなみに、このクリスが一般的に知名度が高いのですが、コールドプレイはクリス(ボーカル兼ギター/ピアノ)・ジョニー(ギター)・ウィル(ドラム)・ガイ(ベース)の大学同級生4人で構成されていますよ!

では、いざ本題へ。

いきなり謝りだすクリス

動画を見ればわかりますが、クリスはスマホのビデオ電話でインタビューに出演したのですが...

「まず謝るよ、このアルバムについてはインタビューに出ると思わなかったから。だから僕、全然上手く話せないからね。」

と、なんでもそもそもインタビューに出演する予定ではなかったと話すクリス。初っ端から保険をかけてきました。(失礼(笑))

Q1.「新曲を考え始めるのはいつから?」

本題はここからですね。

今回のアルバムは2枚構成になっているようで、一つは”Sunrise"、もう一つは”Sunset”というそうです。

新しい曲の構想を立て始めるのはいつ?という質問に、

「いつも考えてるよ。格好つけてるように聞こえるけど、ただ出てくるんだ。」

とクリス。続けて、

「このタイトルは長いこと前に思いついてて、これがいいなって思ったんだけど、10年ぐらいずっとアイデアとしてくすぶってたね。」

と話します。

Q2.「今回のアルバムで伝えたかったことは?」

毎回のアルバムごとに大きなテーマを掲げているコールドプレイですが、今回のメッセージについて、

「それは何ていうか、自由な感じだね。この地球いっぱいに存在してる生命。ちょっと変だけどさ、今そこに七面鳥がいるんだよね。こんな感じで、生命(いのち)は至る所にあるわけで。

見方によっては、僕らが至る所で体感するネガティブなことに対してどう思うか。そして至る所にトラブルはあるんだけど、同様に素晴らしい事も人生においてたくさん起こる、っていう風に、そうやって物事を理解しようとしてるっていう感じかな。」

とクリス。

Q3.「”Orphans”を思いついたのはいつ?」

先日公開された2曲の新曲のうち、アップテンポで奔放さが際立っていた”Orphans”は、アルバム制作終了のギリギリに書いたそう。

「ビデオにちょっとだけタネがあるんだけど、アルバムのミキシングをしてる時に”ああ、あのボイスメモを探さないと”って思ったんだよね。

で、曲の全体を思いついて、バンドのみんなに録音しようって誘ったんだ。もう1日か2日しか残ってなかったからね。」

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”Orphans”MV 1:40あたり

MVを観てみると、確かに、録音している時の様子が!

締め切りに間に合うように、メンバー一丸となって作業していたんですね。

他にも、アルバム制作の上ではタイトルだけあって、後からいい歌が思いついて出来上がったという曲もあったそう。

"Orphans"の歌詞について

Orphansでは、トラウマについての描写が多く、それに対して励ますような、喜びに満ち溢れているコーラスが印象的だったという司会者。

この歌について、

「毎日僕らは人間として生きてる。毎日最悪で、素晴らしい。毎日が恵みなんだ。だからそれに対しての答えを言葉巧みに(笑)してみた。」

と答えるクリス。

Q4.「今世界で起こっている事に影響を受けた?」

作詞・作曲を主に担当しているクリスですが、自身の直感的な感情がアルバムを通して感じられると語った司会者。

地球レベルの広い視野で今回のアルバムのテーマを語る彼に、世の中で起こったことを音楽にどれ位取り入れたのかについて質問します。

デビューから20年、やっと正直になれたクリス

「前回のツアーのおかげで、自分の感情をオープンに話せるようになったんだよね。他の人が反対しようが関係なく、何かや誰かを嫌いって事でも、これが自分の気持ちなんだって。

今回ようやくバンドとして、キャリアの事とか気にすることなく自由にできるようになったと思うね。」

と話すクリス。内容については、

「ものによっては僕や僕たちのすごく個人的な話だったり、他の人が乗り越えてることに共感しようとしてたりする。

だって、人が他の人の身になって考えるのってより良い時間だと思うんだ。

例えばシリアを追われたり、ボルチモアで育った子供たちとか、遠くからジャッジするんじゃなくて、”もし自分がその立場だったらどうだろう”って。」

と語りました。

Q5.「色々な”音”を取り入れたプロセスについて教えて!」

続いて司会者は、今回のアルバムで色々な”音”が使われている事について、その経緯を聞きます。

「ツアーの最中、またグローバルシチズン(国際問題に取り組むNPO団体)と仕事をしていて、色々な音を携帯で録音したんだ。歌ってたり踊ってたりする音をね。

で、いつかサンプリング出来るようにって番号を付けておいたんだ。」

Q6.「”Arabesuque”の曲の始まりはどこにいる設定?」

次はもう一つの新曲”Arabesuque”について。

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同曲は、どこかの町の人ごみにいるような音から始まるのですが、それはどこなのか?と聞く司会者に

「地獄だよ...」

とクリス。違うでしょ!とすぐさまツッコまれてました。

Q7.「フランス語で歌っているのは誰?」

同曲ではフランス語で歌われている部分が多く、クリスでは無い様。

「Stromae(ストロマエ)って知ってる?彼は世界イチのアーティストの一人だと思うんだけど、彼の最近の曲が素晴らしくて、彼にこのレコードに参加してほしいって言ったら”OK”って。(笑)」

このストロマエはフランス人アーティストで、”Papa Outai”という曲でも一時期世界から注目を集めていました。 クリスの推しはこの曲↓

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Arabesqueができるまで

この曲自体は、いつかコールドプレイがバンドとして危なくなった時、彼らのアドバイザー的存在だったブライアン・イーノがクリスをバンドから引き離し、楽器隊の3人でジャムセッションをさせていた時に出たベースラインが基盤になったのだというクリス。

そこから曲を作っていこうとしていた所、フェラ・クティ(1938-1997, ナイジェリア出身のミュージシャンであり、黒人解放運動家として有名)の”Music is the weapon of the future !(音楽は未来のための武器だ!)”と叫ぶサンプリング素材を発見したそう。これは曲中でも用いられています。

(彼のドキュメンタリー映像の一部を発見しました↓) www.youtube.com

そこからフェラ・クティの息子さんとお孫さんがこのレコードに参加してもらえることになったのだとか。

フェラ・クティの息子さんはホルンを演奏してアレンジも素晴らしいと絶賛するクリス。

祖父・父・息子と、三世代のコラボレーションが実現したんですね!

最後に、来月BBCにてライブセッションを行うという彼らの演奏も楽しみだ!というお喋りでインタビューは終了しました。

コールドプレイの音楽は毎回本当に聴き我意がありますね。 これからアルバムの全貌が明かされていくのが待ちきれません!

~完~